ウォルマートの裏にあるバン(1978年式フォルクスワーゲンキャンパー)である男が起きた。
腹が減ったらしく、賞味期限がよくわからない卵を吟味し、ポータブルオーブンで調理をする。
そして、バンの中に入っている物、寝袋やサーフボード、ジーンズを取り出す。
ウォールマートの従業員は、彼に「バンマン」というあだ名をつけており、「あいつは何者なんだ?」「どっから来たんだ?」「スピリチュアルにハマったキチガイか?」などとつぶやく。
彼も彼で「さすがにもう慣れたよ」とのこと。
そのバンマンの実態は、この記事の主人公であるダニエル・ノリス。
2億の契約をしているメジャーリーガーで、ナイキと契約を結んでいるほどのスター。
ブルージェイズのピッチャーとして活躍しながら、なぜフロリダの郊外のウォールマートの駐車場で、オンボロのバンの中で住んでいるのか?
ノリスはこう言ってます。
「他人にキチガイとして見られるからと言って、この生活を変えようとは思わないよ。最高のシーズンにするためには、ハッピーでバランスのとれた状態にしないといけない。そのためには、ちょっとした冒険が必要だろ?」
ノリスは2011年、彼がメジャーリーガーになったのと同時に、このバンを買ったらしいです。
そして、そのバンでフロリダまで旅をしながらやってきて、しばらくはビーチで寝泊まりしていたようですが、警官に注意され、24時間営業しているウォールマートの駐車場に住み着くようになりました。
(ウォールマートの駐車場で車中泊できるっていいですよね。日本でもイオンとかで車中泊できたら最高なんですけど。}
もちろんメジャーリーガーなんで練習場に行きます。同僚の車は名だたる高級車ばかり、その中にこのオンボロのバンがぽつんと。ノリスはそのオンボロの中でポータブルストーブで炊いたコーヒーを飲みながら、ケルアックの小説を読書。
「なんで、そんなコーヒー飲むんだよ。ただで飲めるコーヒーがそこにあるだろ。」と同僚が言いますが、ノリスは「俺にはこれがしっくりくるんだよ」と返します。
ノリスは酒を飲まないどころか、自分の時間が大事なために彼女とも別れる男です。サーフボードはリサイクル品。電力はバンの上に付けたソーラーパネル。写真の勉強をしながら自由に暮らしています。
『Nonconformist《体制に従わない人》』とバンの天井に書かれますが、団体競技は『conformist《体制に従う人》』でなければいけないはずです。
しかし、ノリスのような一貫とした哲学は、伝統を重んじる精神よりも野球に貢献できると考えるべきかもしれません。現にノリスは高い三振率を誇るピッチャーです。
球団がノリスに尋ねました。
「なんでオフシーズに週40時間も地元のアウトドアショップで働くんだ?」
「なぜオフシーズに同僚とクルージングしないで、一人で放浪するんだ?」
「メジャーリーガーらしく振る舞え」
ノリスはそういった普通の常識は避けたく、彼が一番恐れているのは、他人の掟で生きることだったのです。
また彼はこう言います。
「自分はいいピッチャーだと思ってるよ。なぜなら自分の管理はできてるからね。」
「チームメイトは大好きだけど、頼るのは嫌いなんだ。ピッチャーは孤独なマウンドに立たないといけない。ある人はそれに耐えられないかもしれないが、自分はそれが大好きなんだ。」
2億円の契約をした後、同僚たちは速攻で高級店に行き、ブランド品や宝石などを買い漁りましたが、ノリスは1000円くらいのTシャツを買っただけでした。
口座に今まで見たことのない数字が書き込まれていたので、ファイナンシャルプランナーを雇って、月に8万円だけ実際に使う口座に振り込むことにしました。
「でも、これで十分なんですよね。金のない生活は僕のライフスタイルに合ってますし、他人のコードに順応するのを防いでくれますから。」
(なんとノリスはバンのエンジンがぶっ壊れたときに、修理屋にすら持っていかずに、ガムテープで直すらしいです笑)
同僚と飲みに行くよりも、バンの中で自分の本を書く男なんです。
「自分の好きなことを探して、知識を得たらいいよ。価値のあることだ。」
「親切で、穏やかであり、色んなことを愛せればそれでいい。」
ノリスはピッチャーの仕事が好きですが、パタゴニアのカタログに写真を載せたいとも思ってますし、ハワイでサーフィン、オレゴンでロッククライミングもしたいと、野球以外にもたくさんの夢があります。
試合が終わるとノリスは球場を離れ、スーパーで食材を買い、フロリダでお気に入りのビーチに向かいます。
ある朝、サーフボードの上で寝てしまい、足元に冷たい水の感覚を感じ起きてみると、沖から離れたかなり場所まで流されていました。
それは方向感覚が狂い、死の恐怖を感じるほどの。
これを彼は「人生で最高の瞬間の一つだ」と言っています。
そして、飯をビーチで食べながら、夕日が沈むのを見て、父親にオンボロバンのエンジン音を電話越しに聴かせます。
ノリス「エンジン音の調子はどうかな?」
親「お前がお前のままでいていることを誇りに思うよ」
カモメが海にダイブし、波は砂浜に押し寄せてくる。
夕日がバンをオレンジ色に染める。
「完璧だ」
一体どうやってメインストリームの中で、この体制に従わない男が生きていけるのか?スポンサーとの関係は?伝統的な野球文化との関係は?
様々なしがらみがあるはず。
しかし、今やビーチにはノリスとオンボロ車しかいない。
彼を判断する者はいないし、何かに従う必要もない。
空は暗くなり、星が輝き出す。
月は影を生み出し、彼はそれを写真に収める。
車。星。道。
「撮らなければ」
彼は瞬間を捕まえたのかもしれないし、永久を捕まえたのかもしれない。
おはようございます!
先日ここでも紹介されたKouta Itoh
さんに会ってきました。
彼は今あるプロジェクトで東京から宮城に自転車を使って毎日きたにむかって進んでいますが、その途中に僕の住んでる栃木県を通っていたので挨拶をしに行きました。
その時、koutaさんや一緒にいた外国人の方々とすこしだけ話をしました。
なぜかかわかないですが出発直前にイギリス人の男性が「一緒に走るよね?」と言い出して、次の日から二日間で80キロほどランニングしてきました。
膝とか足首が破壊されましたが
道中とか夜にいろんな話(ミニマリズムについても)話せて良い経験でした。
元々人と違うことやるのが好きだったんですけど今回の出会いでもっと火がついた気がします笑
服今は全部で8着くらいしかないですが教えていただいたicebreakerを導入して3,4着くらいに減らそうかと考え中です!まだまだこの分野追求できそうですね〜
お早うございます!
koutaさんと会ったんですね!!
東京から宮城までって、またアクティブな笑
しかも80キロマラソンするなんて、めちゃくちゃですね笑
やっぱアクティブで熱い人に会うのはエネルギーを貰えますよね。
koutaさんは正にそんな人なんで、ゆーいちさんがこれから何かするキッカケになると思います。
というか、このブログがそういった面白い出会いを提供できたのがすごく嬉しいです。
icebreakerとはまたkoutaさんらしいアイテムですね。
僕はアンダーアーマーを使ってますが、結構ピチピチなんで、試着してみてから使ってみた方がいいと思います。
応援してますので、また近況を聞かせてください。
大学生なんですけど
この生活してるとかなり心配されますね笑
ありがとうございます!
実家は岡山にあるのでまた今度岡山に帰る途中に大阪に寄った際、お話しできることを楽しみにしてます!
はい、ぜひ!
Twitterかメールで言ってくだされば返信できるんで、関西に寄る機会があれば言ってくださいね。
こういった記事は非常に面白く、価値があると思います
翻訳にまで手を出す個人ブログは少ないですからね
ありがとうございます。
あまりにも感銘を受けたのでやりました。
また何かあれば紹介できたらと思ってます。
awesome post!!
its really hard to imagine but still the way he lives is very authentic.
thank you.
i think the man keep the faith is super cool,too.
僕の友達がfb上で2人もシェアしていて、気付けたっす。
複数って、あまりないもんす。
継続は力なりっすね。
こーいう報告も僕だったら、嬉しいのでしちゃいます♪
おめです♪ガンバです。
お久しぶりです!
なんか「いいね」の数がおかしいことになってるんで、バグったのかなと思ったらそうでもないようですね。
のぶきさんと、この記事のノリスが似ているなあと思っていました。
2人とも、刺激的なライフスタイルを提供してくださっているので、本当に刺激になります。
コメントありがとうございました!
すげぇーやん♪なんだ、この前回と1000倍のいいね数♪
さっきの書き込みから、さらに3人もシェアしてた件♪
バズり、おめです♪
そして、バズれなくて、すまんです♪
でも、感謝です。
こんなの初めてなんでびっくりです。
また機会があれば紹介させてください!
絶対、のぶきさんに興味ある人いっぱいいると思うんで。
初めてブログ拝見しました。^^
この記事素晴らしいですね~。共感しました。
過去記事も拝見します。
私も関西在住なので、機会があればお会いできればと思います!
ありがとうございます!
オフ会はちょくちょくやっているんで、ぜひ参加してください。
こんな価値観の人が集まる機会はそんなにないんで楽しめると思いますんで。
これはすごい記事ですね!
ミニマリストのメジャーリーガーが現実にいるなんて全く想像出来ませんでした。日本のプロ野球選手には居なさそうな気がします。監督、コーチ、チームメートが許さないでしょうね(笑)これは日本全体の空気も言える事のような気がしますが。
それとダニエルの髭の剃り方がワイルド極まりないですねw
ファイヤーアクスでヒゲ剃る姿で笑いました笑
ウォルマートの懐の広さもすごいと思いました。
多分、日本のスーパーでこんなことやったら通報されて追い出されるでしょうね。
これってオフシーズンの生活だよね?
キャンプ、オフの話だと思います。
消費社会に問題提起し 自分の好きな シンプルライフ を求めて行動を起こす 若者達 は多い。流行として捉えようが、本質を見極めようと目を懲らそうが、時代は流れ変わってゆく。
今後、物と記号が結びついた消費の時代が加速するか、それとも消費が崩壊するのかのどっちかだと思います。
記号に振り回されて生きるか、ひたすら記号と踊り続けるかは、その人次第です。
個人競技のプロアスリートなら理解できるが、チームスポーツでのこれは理解できん。それでベストコンディションに持っていけるの?ベストじゃないとチームに迷惑かけん?
しかもそういう生活をしてる理由が2回読んでも結局理解できんかった。例えば、メジャーになる前のスピリットを忘れない為、とかなら分かるけど。
野球を全く知らないですが、ピッチャーは孤独であると言ってますし、孤高のスピリッツがピッチャーに向いているんではないでしょうか?
団体競技だからといって、型にはめて才能を潰さない球団も素晴らしいと思いました。
奪三振率の表記に僕もおや?っと思いましたがオルティスから三振獲った動画がありますしこれからの選手ではないでしょか。
彼が選手としていか程か、より彼のライフスタイルが主点かと思いますので僕は最高に楽しめました。
コメント書くの初めてです。これからも楽しみにしてます。
野球のことが全く分からず、マイナーリーグがあることもわかってなかったです。
ご指摘と温かいコメントありがとうございます。
年俸二億って、メジャーリーグの最低保障分より何割か高いくらい。
ポジションとか役割(ピッチャーだったら先発か中継ぎか、とか)によって相場が違うんだが、少なくとも
一流には程遠い金額。
で、実績が、去年途中で昇格して6回2/3しか投げてないってことは、多分メジャー契約してないし、どう考えてもシーズンのほとんどはマイナーにいたはず。
つまり一流どころかメジャーに定着すらできてないわけで、
せいぜい、若手ながらメジャー昇格経験がある、マイナーリーグのプロスペクト(若手有望株)ってとこじゃないか。
詳しい情報ありがとうございます。
メジャーリーガーの年棒の相場がそんなに高いとは知りませんでした。
そう考えると一流と言えないと思いますが、この記事のメインで言いたいことは、ライフスタイルを貫くことの素晴らしさです。
ご指摘ありがとうございました。
(一流かはわからないけど)団体競技のプロスポーツ選手が、(オフシーズンだけかもしれないけど)集団の価値観に流されず、様々な夢を実現するために、自分の価値観に溺れずひとつひとつ大切にして生きていく様は、とてもすがすがしいですね。
勝負事は欲望のコントロールと平常心が大事だとおもうのですごく共感できます。
ありがとうございます!
勝負ごとは孤高の精神が必要だと考えてます。
彼は恵まれたフィジカルと才能も素晴らしいですが、なにより自分のスタイルを貫き通す精神力が素晴らしいですね。
興味深く読ませていただきました。
入力ミスが多いのが気になるかな。
ケルアックは好きな作家さんなので間違えないで〜(>_<)
ご指摘ありがとうございます。
「アックス」になぜかなってました…
最近、名作のON THE ROADを読んでます。
http://cqc-snake-0830/entry-11999422040.html
ありがたく記事読ませていただきました。”パタゴニアのカタログに写真を載せたいとも思ってますし、ハワイでサーフィン、オレゴンでロッククライミングもしたい”ってやりたいことが多いと、すぐ動けるこうしたスタイルのほうが合理的/刺激的なのかもしれませんね。ほしいモノよりやりたいコト/他人と比較しない自分の欲求を見定めるというのは目指しているところではありますが、見本として参考になりました。
移動型住居ってアクティブな人には最適だと思います。
僕はアクティブではないですが、この人のスタイルは本当に感銘を受けました。
他人と比較しない自分の欲求が一番大事ですよね。
変なカーストとか損得勘定ごときで自分の欲求をねじ曲げるのだけは避けたいとこです。
はじめまして!
記事読ませていただきました。
私もミニマリストになりたくて、いま家にあるモノをドバドバ捨てている最中です。
(まずは断捨離からはじめています。)
ほんとうに必要なものだけを持って生き、そして
精神的に豊かな人生を歩んでいきたいと思いました。
ブログ、とても刺激になって、楽しいです^^
これからも読ませていただきます!
返信遅くなりましてすみません。
モチベーションをあげることができて嬉しいです。
なかなか続けるのって難しいですからね。
僕もこうやってブログを書かなければ、熱が冷めてしまいそうです。
ぜひ、進捗を教えてください。
気軽に書き込んでくださいね。
お金持ちは、お金使ってもらわんと困るなぁ、、、
要らないならください(^^)
いっぱい使って世の中にお金を流しますから♪
彼が銀行に預けたマネーがなにかしらの金融資産として世の中に回っているんじゃないんでしょうか?
こんばんわ。
この生活が大阪でもできないものか…と(職業柄、自分にはできないンですが…)
毎日、通勤途上で生野区のとある店の駐車場を調査中。
向いにスーパーもあり、なかなかいい場所なンすけどね^^
店に交渉したらいいかもしれませんね。
なんせ大阪市内は駐車場が高いので、普通に住んだほうがメリットは多いんですよね。
彼、ダニエルがピッチャーだからこそ選んだライフスタイルだと思いましたよ。もし野手であったなら普通の生活をしていたかもしれない。そう思った。