「平凡な、あるいは『庶民的』な対象に美的地位を付与する能力、あるいは『純粋な』美学の原則を、料理や衣服や装飾といった日常の最もありふれた選択に適用し、美学を倫理に結びつける大衆の傾向を完全に逆転させる能力ほど、卓越した、際立ったものはない。」
『ディスタンクシオン――社会的判断力批判』ピエール・ブルデュー著
おいおいおいおいちょっと待て待て待て! LOEWEがスタジオジブリのトトロやら千と千尋やらハウルやらをバッグにして売り出していやがる。それもプリントしただけの安モンだけやなく何百枚もの超高級レザーを職人がミリ単位で切り刻んではめ込むマルケトリーっていう正統なる職人技の極みを駆使して一個で何百万もするバッグを作ってやがる。GUCCIなんかはジョジョのキャラに全身グッチを着せて世界中のイカツイ直営店のウィンドウを完全にジャックしたしJimmy Chooはセーラームーンのブーツをクリスタルでギッチギチに埋め尽くして何十万何百万っちゅうイカれた値段で売りさばく! 極めつけはLouis Vuittonや!実在のモデルなんか目じゃねえとばかりにファイナルファンタジーXIIIのライトニングを広告キャンペーンのド真ん中に立たせてラグジュアリーなハンドバッグを持たせてドヤ顔させとんねん!
おいおいこれを見て「うわあ日本のアニメが世界の一流ブランドに認められた!誇らしい!」なんて白人様に認められてドパってる奴はおらんやろな?おったら今すぐ目を覚ませ!脳ミソのシワを全部引き伸ばしてこの冷え冷えとした逃れようのないゲロ吐きそうなほど残酷な「真理」をその目に焼き付けろっちゅうねん!
かつてフランスの超ド級のインテリ社会学者ピエール・ブルデューが『ディスタンクシオン』て本でこの世の最高に悪趣味で冷酷な支配の仕組みをベリベリに引き剥がして暴き立てたんや。 支配階級の奴らはなヘビだのキャベツだのといった『ゲテモノ』『無個性』とされて蔑まれていたものですら「あえてこれは美しい、これを知的に愛でるのが本当のエレガンスや」って定義してみせることで己の圧倒的な特権性を証明(卓越化!)しよるんや!
あいつらジブリの映画に素朴に涙流したりセーラームーン(女子中学生??)の戦いに本気で胃をキリキリさせながら「頑張れ!」って感情移入してんの?ちゃうやろ!100%ちゃうやんけ! あいつらがやっとんのは俺らが鼻水垂らしながらしがみついとる感情移入とは次元の違うクルーエルでクラフティーな「純粋な視線(ピュア・ゲイズ)」や。オタクカルチャーのダサさやチープさとのズレをお上品にデコーディング(暗号解読)してニヤニヤしながら「あえて着こなす知的な私」を楽しんどるだけなんや!あいつらにとってはな、教養知なんてのは単に周りに差をつけるためのファッションや。ただの知識や。「学があるほうがもてる」「お上品でいられる」っちゅうしょうもない自尊心を満たすためだけにオタク文化を踏み台にしとるわけ。
職人が一針一針手縫いでハウルの顔と羽根を縫い付けたカーディガンがいくらすると思う!?139万円やぞヒャクサンジュウキュウマン!!!動く城の形をロエベのアイコンバッグをぐちゃぐちゃに組み合わせて作った世界にたった22個しかないバッグがいくらや!?196万円やぞ!!!一体どこのどいつがそんなもん普段使いするんやただの「ガラスケースの中に祀られた富裕層向けの美術品」そのものやんけ!!!「ああ、トトロの素朴な可愛さをあえて最高級の革細工として知的に愛でる私の洗練されたユーモアとゆとり素敵でしょ?」ってブルデューが暴いた「ゆとりの美学(aesthetics of ease)」をこれでもかと鼻の穴膨らませて見せびらかしとるわけやろ!!!これが生身の女が「ハウルかっこいい!」っていうピュアな憧れを綺麗サッパリ漂白してエリートどものマウンティングの道具(文化資本)に叩き直す「聖変化(トランスブスタンテーション)」の極致じゃなくて何やねん!!!「私はね、大衆が喜ぶチープなキャラクターすら高度なアートや伝統技術として知的に消費できちゃうとびきり卓越した人間なんですよ」ってな!
要するに大衆の俗な趣味を心底見見下して「俺は違う、俺は卓越(ディスタンクシオン)してますヨ」って誇示するための完璧なステータスシンボル(文化資本)のゲームなんや!このお高い暗号解読コードを持たない一般の大衆がさ「え、何これなんでトトロのバッグが何百万もすんの?意味不明やわ」って言った瞬間あいつらは心の中で「はいお前はコードを持たない凡人決定〜笑」って境界線を引いて社会的断絶をニヤニヤしながら最高に美しく再生産しとるわけ!マジでグロいって!
だがな!本当にグロいのはそんなエリートどものスカした顔ちゃうねん。暗闇の奥底でのたうち回りながら魂を磨り潰して血反吐吐きながら生み出してきた「サブカルチャーの神秘」が辿るそのあまりにも無残な運命の方やねん!
ブルデューに言わせればサブカルチャーの生み出すドロドロした情念は「必要の美学(aesthetics of necessity)」や!生きるための呪うための飢えや渇きから絞り出した切迫した『生の必要』そのもの!性癖性癖性癖性癖×10000で心臓鷲掴みにされるほどの狂った情念!これこそがかつてサブカルチャーと呼ばれた表現の「真の生命(神秘)」やったはずや!なのにあいつらはそのドロドロとした怨念や絶望生暖かい血が通った情念をハイブランドっちゅう超強力なきらびやか漂白剤で綺麗ーーーに洗い流しよるねん!そうして完全に漂白して脱色して出来上がったただのお洒落な記号を涼しい顔して服やバッグに縫い付けよる!ジョジョと言えば何や!?運命の奴隷になりながらも一歩も引かずに血反吐吐いて肉をちぎられ精神を極限まで磨り潰しながら「黄金の精神」で明日を掴み取るあの泥臭くて泥まみれで人間讃歌の泥濘から這い上がってきた情念の物語やろ!!!
かつては不健全で汚くて蔑まれていたサブカルチャーが今や金持ちどもの「他者を見下すためのステータスシンボル」として高級ブティックのガラスケースの中に美しく祀られてやがる!どれほど熱心にランウェイに並ぶお洒落な「アニメの記号」を買い漁って身にまとったところでそこに宿るはずだった本物の「魂(神秘)」なんてそこには一滴も残っちゃいねえんだよ!そこにあるのはさただの美しくてめちゃくちゃ高価な「抜け殻(模造品)」だけ!これ以上の悪趣味でそして完璧な「魂の切り売り」がこの世に他にあるかってんだよ!
だけどな。この事実に憤慨したりすることほどマヌケで無駄なこともねえ。だってこの「美しく神聖なランウェイでの略奪」こそがこのクソみたいな世界を支配する絶対的な因果の法なんや。被支配層がどんなに血を流して魂を磨り潰してめちゃくちゃに尖った牙を研いだところで支配層 of 支配層のあいつらはそれを「わあ最高にアバンギャルドで尖った工芸品じゃんいくら?」って金で買い叩いて自分の暖炉の上に飾りやがるんだ!あいつらの身体に骨の髄まで染み込んだ『ハビトゥス(階層的性向)』っていう最強のバリアは下層からのどんな怒りも呪いもただの「お洒落なスパイス」として優雅に包摂して美味しくパクリと食べちまうんだからな。
じゃあ残された道は何だ?その残酷な消費システムに抗うことか?違う。どれほど魂を切り売りされて記号として消費され尽くそうともあいたちの優雅な胃袋じゃ絶対に消化できないようなオシャレに漂白しようとした瞬間にそいつの手を腐食させて皮膚をドロドロに溶かすようなまとう奴の首筋をガブッと噛みちぎるような超絶に濃厚で狂った『猛毒の神秘』をもっともっと暗闇 of 暗闇の奥深くで練り上げて狂ったように続けることだけなんだよ!
あいつらがどれほどお上品で洗練された審美眼を持ってたってさ口に入れた瞬間に喉を焼け焦がして脳髄を異形へと変貌させるようなそんな怨嗟のドグマを!いつかあいつらが「これ低俗で超ウケる(俺があえて着たらイケてる)」ってニヤニヤしながら羽織ったその衣服(抜け殻)の奥から剥製にされたはずの怨念がドロリドロリと這い出てあいつらの特権的な首すじを思いっきり噛みちぎってその何百万もするおフランス製の上等なコレクションを真っ赤に染め上げることちゃう?生きることは、狂ったように、だが永遠に、サイコロを投げることだ!ってな感じでよ。
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